40になったらバンドをやりたい

ってずっと思い続けている。「じゃあ今やれよ」ってよく言われるんだけど。実は今バンドらしきものもまだ続けてたりするんだけど。でも、40になってから一から音楽やったら楽しいだろうなあってずっと思っている。


楽しいと思う理由はいくつかあるけど、まずは、金銭的な面。なにはともあれ、時間も金もかかる遊びだ。少なくとも金で買えるものは買いたい。時間でも。そのために稼がなきゃならん。人並みの生活をしながら遊ぶ金を稼げるくらいにならんといかん。20やそこらでは「金降ってこねえかなあ」とか「おやじの遺産来ねえかなあ」くらいしかない。
まれにとんでもないバイタリティでビジネスを始める人間もいるが、そういう人間はその後ビジネスの世界から音楽の世界には帰ってこなかったりする。そんな人間の目標に「会社がうまくいったら人に渡してバンドやる」とかがあったらすげえって思うけど、まあないよね。
だから、40になるまでに生活の基盤を固めて、お金も用意して音楽に取り掛かるのだ。まさか40過ぎてから自分がミスチルにでもなろうとはしてないよな?メジャーデビューを日々待ちわびるような生活を40からしたいわけじゃないぞ。「自分の好きなものを」「好きなタイミングで」「好きなように」やりたいから、金も時間がかかるんじゃないか。


で、次は音楽的な理由。正直テクニックだとか機材の多寡だとか、知識の量が何とかとかは興味がない。40まで「音楽やりたい」って言う情熱を保ち続けられたら凄いなあって思うんだ。「今のこの仕事は40にバンドを始めるための準備なんだ」とか凄くないか。そこまでため込んだら何作っても楽しい。オナニーはオナニーでもため込んだオナニーなだけに、その快感も半端ないだろうなあって思う。
そのエナジーが全て音楽に向かうとなれば、さぞかし「濃い」ものが出来るだろうなあって。その濃さはそれぞれの人間性如実に表したものになるはずで。「最近の流行りはこのあたりだからこんなサウンド」って感じではない。そんなのがやりたいし、聞きたいんだよなあ。日々ふとした瞬間に思いつくフレーズやリリックなんかは書きとめておこう。40になるまで。オナ禁ですよ。


最後に、人間的な理由。「音楽で生活する」とかって、大変だし不条理に満ち溢れている。
凄い熱意を持って音楽界にビジネスを求めてやってきて、悲しいまでに腐ってしまった人間を何人か知ってる。ビジネスと夢のはざまで身をすり減らし、ズタボロになって既存のシステムに飲み込まれて後輩の足を引っ張る、みたいな。結局「音楽業界」にすがったのが全ての失敗だって言うのは明らかなんだけど、正直当人はそう思えてなかったりする。「この世界にいられて幸せ」とか言ってみたりして。「お前その言葉、中2の時のお前に言えんの?」とか思うんだけど。ああいう華やかな世界は魔物よね。
なんか情報と人間関係の板ばさみにあって、自分自身を濁らせる人は多い。自分の夢と業界はイコールじゃないし、自分の夢とビジネスはもっと遠い。だからこそ、自分自身が独立して楽しめる環境を作らないといけない。「売れなくても結構!自腹だし!」くらいの意気込みじゃないと。幸いにして宣伝する方法はいくらでもあるし、自分自身をアピールする安価な方法はいくらでもある。いい時代じゃないか。


「40になったら忙しくてそれどこじゃない」?そのために今から準備するんじゃないか。多分今後クソおもしろくもない時代になる。理由はいろいろ想像してるんだけど、多分相当きつい時代になる。そんな時にその面白くない世界でグダグダ言うくらいなら、楽しみの一つも用意しておこうって話だ。


別にバンドじゃなくてもいいんだけどさ、20代には20代なりの、30代には30代なりの、40代には40なりの楽しみってあると思うんだ。でも別に若い子限定の楽しみなんてそうは無いよ。むしろ体力さえキープ出来てれば金のある30〜40代のほうが楽しいに決まってる。ファッションだって、体型のキープさえ出来てれば楽しみようはある。
年甲斐もなく遊べる40歳になるために今働いてます。そんな夢見る36歳です。やばい、もう目の前じゃん。40歳。