年間ベストに書けなかったいろいろな2016年
さて。2017年に入っていきなり結婚するという最高のスタートを切ったわけですが、今更2016年を振り返ってみようと思うのです。
日本のヒップホップに関しての年間ベストは今年も2DColvicsさんに提出しました。今年は悩んだ。最後の最後まで悩んだ。悩んで納得できたかというと全然だったりもするくらい色々あったと思います。豊作でした。
2016 BEST SONGs In 日本語ラップ (Selected by 靴底)
http://blog.livedoor.jp/colvics/archives/52253392.html
2016 BEST ALBUMs In 日本語ラップ (Selected by 靴底)
http://blog.livedoor.jp/colvics/archives/52253394.html
さて、それとは別に、年間ベストやベストソングとかに入ってこない事象とかから音楽とかを考えてみると、やはり2016年は色々あったなと。まずは驚くぐらいレジェンドや重要ミュージシャンが死んだ。現役感バリバリの人がたくさんいなくなったような年だった。「天国でのフェスのブッキング力が強すぎて地上に影響が出すぎている」みたいなツイート見たけどホントそうだよなみたいな。
In Memoriam 2016
http://www.npr.org/2016/12/19/505570682/in-memoriam-2016
そして解散を発表したエアロスミスやSMAPなども含めると、豊作ではありながらも強烈なロスト感もある一年だったなあと思ったりします。
まあ暗い話はすればするほど幸せが逃げていくので、個人的におもしろかったあたりと考えたあたりを思い出してみると大きな話だと「現行アフリカ音楽はアンダーグラウンドもメジャーもむちゃくちゃ面白い、南アフリカを起点とするラインと北アメリカを起点とするラインでほじっていくとむっちゃおもしろい」「ちょっと前までむちゃくちゃ面白かった南米はちょっと落ち着いてきてる気がするけど、ジャズやロックのテクニカル系の人はすげえことになってる人も多くてやっぱ見逃せない」「ロシア〜東欧あたりのポップスとアジアのポップスにK-POPの影響とアニメの影響が出てきているような感じがあり、意外に共通感があるのではみたいな気がするし、K-POPの影響下に出てくる新しいポップスは韓国からではなく他の国から生まれてくるのかもしれない」「アメリカ音楽のマリファナ音楽化」「TRAPの肉体解釈はどうやらアジアとアメリカではまるで違うっぽい、特にleanの感覚」「日本を除くアジア音楽が世界中を飛びまわってる感」「日本という意匠の圧倒的な強さ」みたいな感じでした。
国内に目を向けると「なんかいろいろうまくつながっていってない感」「断絶と言えるほどのものではないんだけど、ネットとリアル、東京と地方、若者と老人などあらゆる場所で壁を作って対立構造を作ってる勢力がいるのではないかという疑問を持っていたがどうやらそれは自然発生的に起こってくる問題らしいぞみたいな」「人間関係の複雑さから生まれる圧倒的な遅れと損失と」「アイドルカルチャーが人間関係ビジネスと化してきた」「生まれてきている音楽はむちゃくちゃ面白いし新しいものはむちゃくちゃ生まれていってる」みたいな感じでした。
個人的には「ウィキペディア的な『表層的な定義論』にこだわることよりも、本質はなんなのかみたいなことを考えるのが重要なのでは」というのが2016年を通して思った一番重要なことかもしれません。まあこれは音楽に限った話ではないんですが。この考え方というか思考実験は色々気づくこと多いんでおすすめです。
個人的には昨年で音楽界では「北極星を失った」年になるんではないかなあと思ったりしてます。大きなビジネス、偉大過ぎるアーティスト、圧倒的なスター。それらを失った、もしくはそこまでの力を持たなくなったということなのかもしれない。でもそれを悲しむよりも先に、新たな世界への道が開けたことを喜ぶべきなのでしょう。世界は広い、そして我々は世界のどこにでもアクセスが出来る。誰にでも平等に道は開けている。もう誰かのストーリーに乗っかっていく時代ではない。そういうことなのかもしれません。
楽しい時代に生きているものだなあ、と最近は思っています。