コンテンツ制作のための少額課金の方法(案)

さて。前回のエントリーの追加みたいなエントリーなんですが。


PC配信の大手(?)だったONGENがしめやかにお亡くなりになっていることをさっき確認した。

http://www.ongen.net/

OnGen MUSIC SERVER」サービス終了のお知らせ

OnGen MUSIC SERVER」につきましては、2012年1月31日をもちまして、
サービスを終了させていただきました。2004年8月のサービス開始以来、
長らくのご愛顧に深く御礼申し上げます。


平成24年2月1日
株式会社豊通エレクトロニクス

かつては「これからは音楽配信や!着うたフルがこれだけ来てるのにPCでの音楽配信がいけないわけがない!iTUNESなんて所詮Macのみ!仮想敵はNAPSTARや!」なんて息巻いてたのに。CDが売れなくなっていく中のマネタイズモデルとして華やかな雰囲気を醸し出してたのに。
参考:2005年位の配信サービス一覧
http://d.hatena.ne.jp/kouhei_kain/20050809


まあダメだった理由は単純で、配信⇒課金⇒利用の軸の真ん中「課金」のハードルが高すぎたこと。iTUNES程の劇的な利用しやすさがあるわけでもなく、クレジットやWEBマネーはティーンエイジャーにはハードルが高い。まあ、売れなくなるべくして売れなくなったわけだ。音楽配信業者は着メロ⇒着うた⇒着うたフルの成功で、過大な期待をしてしまった感は強い。
着うたなんかとPC配信の何が違ったかって、言うまでもない、課金モデルの洗練され具合だ。ガラケー文化最大の功績は課金モデルを確立させたことだ。携帯電話代金と一緒にコンテンツ代金を集金するやり方はスマートすぎる。取りっぱぐれなく、課金しやすい。


さて、自分がこんな配信の話をしているのにはちょっとした訳がある。スマホ時代になるにおいて、着うたもゲームアプリも全部滅びて行くんだろうけど、この課金のモデルだけは生かせられないかなあって思ってて。


で、考えたんですが「ユーザー募金のツールとしての携帯コンテンツ課金」というのはどうかなあって思っている。
今音楽を制作したとして、発信方法としては「WEBで公開」「パッケージとして販売(配布)」「ライブで公開」の3種がある。
WEBは課金しづらい。クレジットカードの問題、パッケージと比較した際の不安定さ。そのすべてが課金と合わない。着うたフルはあくまでもパッケージの廉価販売の位置づけなのでここでは該当しない。
パッケージは一番「モノ」としてわかりやすく課金もしやすいのだが、売れない。売る場所がないという最大の問題がまずあり、このまま無料文化が進むとパッケージ自体を高額にしないとペイできなくなる。高額になるとファンしか購入をしなくなり、ベテラン有利新人不利の状況が長く続くことになる(これ現在)。じわじわと真綿で首を絞めるがごとく、マーケットが小さくなってく。
ライブが一番安定しているかもしれない。ただ、全国各地にツアーできれば最高なのだが、金も時間も足りねーよって言う声は多い。


結局「最初にアクションを起こす金が欲しい」ってところが共通する。であれば、最初に資金を集めようという話だ。


クリエイティブ・プラットフォームとMEGA-Gの取り組みはそういう意味では非常にドンピシャの企画で、予定の600枚が5250円という値段で完売したのは非常に喜ばしいし、未来がちょっと明るくなるようなニュースだ。ただ、MEGA-Gというネームバリュー込みの企画であり、一介の新人がこれをやるのはちょっときつい。
http://creative-platform.org/


何が問題か?課金額の問題だ。もっと低額で小規模の金額でもいいから集められればそれに越したことはない。そういう意味では一番使えるのは100円から課金が可能な携帯電話課金が最適だと思っている。


イメージ的には、携帯電話で有料デジタルコンテンツをDLする。金額はアーティストが設定可。そのデジタルコンテンツはフラッシュでできており、添付転送不可。アクセスした携帯により独自のIDが付与される仕組みってな感じだ。着うたとかはダメだ。JASRACやレーベルに持ってかれる金額が多すぎる。ただの写真とかが良い。
DL数をほぼリアルタイムで公表し、集金した金額がわかるようにする。制作者は日々の活動の中でyoutubeでもsoundcloudでもツイッターでもいいが、次作への活動を行いながら、課金を促す。youtubeの限定リンク付きのフラッシュとかもいいかもしれない。


日本で少額課金を普及させるには、すでにあるシステムを最大限活用するのが良いと思う。シーンのすそ野を広げるためにどうするか。金の無い人間でも参加できる仕組みは何か。

個人的には「怪盗ロワイヤル」とかのカードゲーム型課金方法も面白いんじゃないかなあって思う。それで遊んでるだけで何となくシーンのメンツがわかってくるような。レアカードには課金。その課金した金額を制作費としてフィードバック。とかね。