音楽配信サービスの件と著作権の件とCD販売なんかを合わせて盛り上げるための手法みたいなナントカ

さて。更新も半年ぶりですか。

この記事非常に面白くてですね

大荒れ、定額音楽配信 アップル迎え撃つ国内勢:日本経済新聞
http://s.nikkei.com/1F9u6lv

この記事、今まで「CDが売れない」とか「音楽の未来は云々」とか言われていた話が全部入ってます。本文中の「インターネットの力で音楽業界のパンドラの箱をこじあける」の言葉がまさにまさにって感じなんですが、勇ましいです。


その現況や俯瞰に関してはこの記事が非常に詳しくて

音楽配信ビジネスが突然盛り上がっております
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yamamotoichiro/20150611-00046566/

もう現状分析とかそういうのどうでも良いですよね。だって「やるしかない、ここにしか活路はない、海外からももう上陸が始まっている、進め音楽業界火の玉だ」になってるんですもんね。良し悪しとかまあどうでもよいです。


でもね、音楽業界の未来が全て音楽配信にあるのかっていうのは正直やっぱ考えづらいんですよね。SpotifyApple musicも現状無料プラン込みで会員数があるし話題になってるってのはありますし、既に聞き放題プランを行っているDocomoのdヒッツなんかを見る限り、正直単純な聞き放題に価値ってあるのかなあって正直思います。個人的にはすそ野を広げることもできずに惨敗するんじゃないかなあなんて思う。
正直な話、単品購入から聞き放題の形にした時点で、ユーザーは同等のサービスしか受けられなくなるわけです。「それっていいことなんじゃないの」って思う方も多いと思うんですが、商品を購入する動機は「他人が持ってないから」とか「他人が持ってるから」みたいなのが多いのではないかなあと思う部分もあり、全員が均等のプレイリストを持つこのサービスは今までの「コンテンツ」型サービスではなく完全な「会員型サービス」になります。そうなると「会員になりたいかなりたくないか」でしかない。他人との差別化も何もない。これは正直今の日本にはなじまないのではないかなあなんて思ったりもするのです。



でもよく考えてみたら「会員型サービス」って考えると、もうちょっと別ベクトルの商品って作れるんではないのかなあなんて思ったりもしたわけです。

例えばファンクラブビジネスに近い形の配信サービスと言う形はどうかと思うわけです。
アーティストがそれぞれチャンネルを持ち、それぞれ月額での配信価格を決定します。ユーザーは無料で登録を行い、チャンネルへのフォローを行います。フォローしたミュージシャン(及びレーベル?)のチャンネルの音源がオープンになり聞き放題になる。これはアーティスト側の音源コントロールも容易です。
そしてアーティスト側は「音源にするまでもない楽曲やコンテンツ」をその配信サービスに乗っけることでユーザーメリットを生ませると。ネット上で聴けないカバー楽曲や習作楽曲を配信してしまえばよいのではとも思うのです。非常に汚い発想ですが、フォロー数ランキングとかでファン同士が競うような状況になれば、ねずみ講よろしく「なあ頼むから一月だけ○○のチャンネル登録してくれ!頼む!」みたいなことがおこるのかもしれません。


そういえば今日こんな話もありましたが

カルメン・マキ、キレる。
http://togetter.com/li/833376

クローズドのファンクラブ音源のような形でのカバー楽曲の頒布ってどういう位置づけになるんでしょう。不特定多数への配信がNGなのであれば「特定多数に向けた配信」ってどうなんでしょうか。その考え方で行くと「フォローされてる人だけに配信される楽曲」というのは著作権的には何かしら新しい定義を考えてもいいのではと思います。


なんにせよ、音楽配信盛り上がるといいなと思いますが、前から何度も言うとおり「配信するサービスが山ほどあるより実際に音楽鳴らせる場所増やす方が先だろうが」という思いは変わりません。携帯端末からしか音楽が鳴らない未来でCDもパッケージも買おうとは思わないですよねえ。