第2期スマイレージがやっと見えた

さて。POP'Nアイドルが無事開催されたわけですが。当然見に行けないヘタレ在宅なのですが。なんかやっと新しいスマイレージが見えてきたようでうれしい。twitterなんかでの感想を無理やり集約すると「圧倒的な本気度と運動量で他を圧倒した」ってことなんだろうな。セットリストも休ませる暇などない強烈なものだった。
初期のスマイレージの自由さやフリーダムさを失って、その引き換えに掴んだのは圧倒的な「がむしゃらさ」だったんだろうな。現在はなんとなく「必死感」が漂う感じではあるが、いい意味での余裕が生まれてくれば状況は変わる。
ようやく過去を振り切れた気がするスマイレージ。戦う相手は「他のアイドル」なんかじゃないよ。世間の評価をひっくり返す戦いなんだ。見るべきところは隣のアイドルでもないし、同僚や先輩でもないよ。目の前のファンをなぎ倒しながら突き進む背水の陣。昨日のメンバーのブログを見る限り、「いける!」っていう手ごたえを初めて感じたんじゃないんだろうか。


ちょっと余計な追加をしようかな。
アイドルはそもそも偶像という意味であり、非現実空間と現実空間の間をつなぐ巫女的存在だと思っているのだが、ここにきてアイドルの人間宣言が進んでいるように思う。いい意味でも悪い意味でも。


ももクロが大きく話題になるにおいて、彼女らの完成度云々ではない捨て身のハイパフォーマンスが大きな力になったことは言うまでもないが、早見あかり脱退というストーリーは、図らずもももクロを他のアイドルと差別化させた。過去に脱退、引退があったアイドルなんていくらでもあるが、脱退を悲劇的なものにせずステップアップにつなげることに成功させたのはももクロが初めてといってもいいんじゃないか。今までのアイドルが臭いものに蓋的な感性でアイドルに影を落とすことしかできないやり方しかできなかったのに対して画期的なものだ。ファンもメンバーも脱退、引退をタブー化させないこと。言い方を変えれば「いい思い出にしてしまう」こと。今の時代においてこれは本当に重要だと思う。
ももクロは少年漫画」っていうのは誰かが言ってた気がするが、キン肉マンがギャグ漫画からバトル漫画になる上でウォーズマンの素顔の告白やロビンマスクの葛藤が必要だったように、ももクロはそのストーリーの中に影を必要とした。その影を見つめることによって今の輝きを強く見せることができたのだ。アイドル自体の人間臭さをマンガのようなコンテンツとして成立させることに成功した。既存の「アイドル」の定義からここで外れたのだ。


今数多くのアイドルがいる中で、ブログや接触イベントなどでパーソナリティの切り売りが進む中、そのパーソナリティ自体を別のコンテンツに転嫁させるという認識で動けている事務所や運営はすごく少ない気がする。そして当の女の子自身も、そういう視点で「アイドル」を見たことはないと思う。ステージだけがアイドルではないし、パーソナリティだけがアイドルではない。もちろんルックスがいいだけでもだめだ。「こんなステージをするこの子たちはどんな子なんだろう」というスタート地点があって、ブログや握手会などのサイドストーリーがあって、それはまたステージやメディアに帰ってこなければいけない。そのサイクルの中からストーリーを紡ぐんだ。
スマイレージはここで手を抜いてはいけない。「なんとかなってよかったね」ではなく、ここからドラマが始まるのだ。がむしゃらに前に進まざるを得なくなった現在があり、そこから次のストーリーが始まる。以前のスマイレージと本気で戦わなければならない。彼女らの葛藤や逡巡や喜びや悲しみの一つ一つを、新しいストーリーにしていかなければならない。ファンの役割は重要だ。「月光条例」ではないが「サクシャ」と「ドクシャ」がいるからドラマはできるんだ。


最後に、個人的に「ストーリーに参加する気のないファンは排除すべき」だと思っている。今が最後のチャンスだ。事務所は現場の空気が今後のスマイレージのストーリーを左右するというのを認識してもらいたい。