地方民はどこで遊んだらよいのか その1

さて。ホントひさびさです。
ブログブームが来ているらしいのでまたこのブログも起動させようかと思い、重い腰を上げてみました。


”小娘のつれづれ”さんからのエントリー

「地方のCDレンタル店に見るエンタメ業界の現状」
http://drifter-2181.hateblo.jp/entry/2013/10/20/193422

もうすっかり話題になってるこのエントリーですが、これについて思ったことというか関連のことみたいな感じで。


このエントリの結びにある

CD不況のこの時代において
少なくともエンタメコンテンツにはもうちょっとこっちの方に鉱脈は存在しているはずで、
その辺早めに掘削しだした所がこの次の先駆者的立ち位置にいそうな気がする、
ていうかむしろもうちょっとこっちの方も搾取しろ吸い上げの施策を打ってほしいというのが地方民の正直なところです。

地方民にとってCD・DVDレンタル店は生命線です。なぜかというと「人と話を合わせるためのツールのほとんどはCD・DVDレンタル店にある」からなのです。会社で話題になってる見逃したドラマ、周りのママさんたちの間で話題の韓流ブームのビデオ、家で彼女とセックスする前の前座となる最新(かつ見逃しても残念さのない)映画。外出しての娯楽のない町ほどCD・DVDレンタル店の影響力は強いのです。
で、誰もが一度は考える「じゃあCD・DVDレンタル店発信型の流行なんかもあるんじゃない?」って話。残念なことに、これが一切ない。CD・DVDレンタル店は「既に話題になっているものに乗り遅れた人をフォローしてあげるための店」であって、流行を先導するものではない。少なくとも地方は確実にそうだ。

この視点をもう一度持って先の小娘さんのエントリーを見てみると、

このブログの主題である女性アイドルでいいますと、まず鉄板で常備されているのはAKBグループ。
(ここは劇場公演のアルバムまで全種類フルコンプ)
次に、特にCDショップ大賞とったあたりからかな、ここ1年でももいろクローバーZ
アルバムのみならず今までのシングルもほぼ全て置かれるようになった。
んでもうひとつ、これは昔からの蓄積があるハロープロジェクト
(2005年あたりから一時期消滅しかけていたが、プラチナ再評価の2011年以降入荷が徐々に復活してきた)


あとこれはavex枠なのか、SUPER☆GiRLSがちょっとシングル在庫強くて、
今地方で安定してCDレンタル店に在庫が置かれている女性アイドルグループは、この4つくらい。
逆に言えば、この4つ以外、ほとんどの女性アイドルはまだ地方のロードサイド・コミュニティにたどり着けていない

これ象徴的だよね。AKBはテレビでも何でももう鉄板で、ももクロも他メディアでの話題はがっちり押さえてる。スパガAvex枠ってのはそうかもしれないけど、スパガに関しては「マンガ誌グラビア枠」ってのもあるんだと思ってる。でんぱ組がCD・DVDレンタル店に登場するのもその流れであって、ほとんどの人は曲を聞いたことすらないのでは。ちなみにその枠に以前いたのはアイドリング!!!とかだったわけだが、静岡ではまだ枠あるなあ。風前のともしびではあるけど。「グラビアで見たことある子のいるアイドルグループ」をチェックするためにCDを借りている層ってのは確実にいる。


地方民のネットリテラシーってのは大幅に偏っていて、「ネットでスムースにネット検索ができる層」と「ネットを使っているのではなくアプリとメールのみでカタがつく層」で分かれてます。CD・DVDレンタル店に来る層の大半は後者なのです。そして先のエントリ中にある「ボーカロイドの急激な普及」に関する件。これは前者に位置するのでしょう。高校生なんかでもその辺は断絶がある。ネット検索なんてアホでもできると思うでしょう?意外にハードル高いんですよ?自分が興味あるものをちゃんと言語化して検索をかけて自分の欲しいものにたどりつくのってスゴイことなんですよ。大概の人間は目当てのものにすらたどり着けずに終わるんです。冗談みたいでしょう?でも、割とそうなんですよ。まとめサイトが必要とされた経緯もその辺にあるのではないかと。


そう考えると

CD不況のこの時代において
少なくともエンタメコンテンツにはもうちょっとこっちの方に鉱脈は存在しているはずで、
その辺早めに掘削しだした所がこの次の先駆者的立ち位置にいそうな気がする、
ていうかむしろもうちょっとこっちの方も搾取しろ吸い上げの施策を打ってほしいというのが地方民の正直なところです。

ここに補足みたいな。
地方民へのバズは未だにテレビ・雑誌(マンガ限定)からのルートが圧倒的ではあるのですが、ネットバズよりも「コミュニティ」への依存が強いニコ動系やボーカロイドティーン層を中心に新しい流れを作り出しているのでしょう。おそらくリアルでの遊び場を失ったティーンたちの遊び場として存在しているのでしょう。


「地方民が日常生活の中で直接リーチできるコンテンツは広がっているようで確実に狭まっている」と思ってます。リアルでの遊び場や衝撃を失って、話を合わせることだけに終始するコンテンツ消費になりつつあるのが現状なのかもしれません。


もし「そんなことねえよ!俺は(私は)面白い遊びや遊び場を知ってるぜ!」って思っている人がいたら、すぐにでも周りの子を誘ってあげて下さい。想像以上にたくさんの人が能動的に遊ぶ喜びを失っているのではないかなんて僕は思ってます。


多分続きを書きます。