天の岩戸にユンボで乱入

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 ひきこもりっていうのは、社会にシンクロし損ねた人間が、自分の自由にできる唯一の社会・・・すなわち自分の部屋とシンクロして、その空間に混ざってしまう現象だ、なんてことを思います。

 自分もプチそんな状態だったような時期もあった気がします。なじんでくるんですよ。自分と自分の部屋が。そこまでならいいのですが、部屋に沈んでいく感覚がし始めると厄介です。だんだん時間軸がなくなってきて、部屋にこもりっきりになります。朝に目が覚めても昼に目が覚めても部屋に何にも変わりはないので、昼夜の感覚はなかったです。徐々に一体化していくんですね。そして部屋は汚れていきます。でも自分が汚れていくのと同じような感覚なので、まあいいや、と思い始めます。そして部屋と自分の心がともにスラム化していくと。一人スモーキーマウンテンですよ。

 まあ、自分は一人暮らしだったのでまだましでした。引きこもってれば収入はなくなるし腹も減るし、表にでざるを得ない環境がありましたから。でも結構やばいレベルまでいってたかもしれません。人との話し方を忘れそうな勢いでしたから。
 何かに寄生しながらも、その寄生してるという自分を認識できない社会感覚の欠如、またそれを自己の中で肯定する現状。ぬるま湯の中の永久機関。まあ、ジリ貧でした。
 そこで見つけたこのページ。すごいですね。誰もがどうしていいのかわからないこの問題に対し、ここまで明快に答えを出したものはなかなかないですって。この会社のすごいことは「相手に対する理解」は基本的に重要ではないことです。相手を分析し、それに対する対策は練っているかもしれませんが。また、全てがイベント化されてるのも重要な部分です。楽しそうじゃないですか。「変化のない生活に対する消極的肯定」なんて言葉とは対極にある話です。いきなり部屋が燻されて、ドアが壊されて、デリヘル嬢がやってくる・・・コントですよ。シュールすぎる。消極的肯定しかできなかった人間には想像もできないアグレッシブな現実。
 しかしこの会社の最も素晴らしいところは、社員紹介に出てくる人が誰一人引きこもりを理解する気がなさそうなところです。いや、それでいいと思うんですよ。ビジネスだし。またそういう相互理解のない人だからこそ、強制的にひきもどすというのができるのでしょう。結果的に、誰が幸せになるかはともかくとして、平坦な人生にアクセントを強制的に加えるこのビジネスは、盗人に追い銭的な側面もある気もしますが、現代に必要とされているニッチビジネスなんだろうな、なんて思いますよ。楽しそうだしなあ。これ。