Juice=Juiceの狙う「踊ってみた」を超えたポジション

さて。ハロプロから新ユニットが誕生したわけです。「Juice=Juice」。ハロプロ研修生高木紗友希宮本佳林大塚愛菜植村あかり金澤朋子の5名とSATOYAMAプロジェクトで既に「GREEN FIELDS」にも参加していた宮崎由加の6人組。正直最初は「ああ、ちゃんさんの花道を作ってやったんかなあ」くらいの印象でしかなかったんです。ハロコンでもライブが披露されましたが、その時も「まあいい曲なんじゃないかなあ」くらいのぬるい感想しかなくって。頑張ってんなあとか。小さな違和感はあったんですが、なんなのかはわかんなかった。


で、PVも早々と公開されました。タイトルは『私が言う前に抱きしめなきゃね』 。


で、このPVを見てようやく違和感の訳がわかったのです。


「なんで全員私服なの?」


そう、私服風のコスチュームやカジュアル目の衣装ってのは山ほどあっても、本気で私服感漂う衣装ってそうはないわけです。しかも「背伸びしてオシャレ」って感じでもない。ハロコンの時は「ああ、研修生だからそういう扱いなのかね」とか思ってたんですが、PVでも全く同じ。これが「Juice=Juice」のコスチュームなんです。


で、このPVを見直してみると、過去のハロプロ系のダンスとはまた違うものが見えてくる。フォーメーションダンスが少ないんです。他のメンバーと交叉したり絡んだりするダンスが少ない。そして立ち位置の変更も最小限。歌う人間がセンターにいるという基本的なルールもどちらかと言えば無視の方向。面白い。個人のパフォーマンスの集合体でほぼ構成されてるんです。


これはどこかで見たな、って思ってたんですけど、「踊ってみた」の映像に似てるんです。素人が私服で全力で踊ってる姿。Juice=Juiceの衣装コンセプトやダンススタイルは「踊ってみた」なんじゃないでしょうか。
ただ、素人芸なんかでは全くない。なにしろその中には研修生筆頭こと宮本佳林がいる。実力ならば他のアイドルユニットとは比にならないくらいのものだ。実際踊っているダンスのキレや歌唱は素人のレベルなんかではない。

かつて岡井ちゃんがニコ動で「踊ってみた」をやり大きな話題になった事がありました。ニコ動にいる「踊ってみた」や「歌ってみた」に憧れたり、挑戦してみたりする子の潜在的な人数はすごく多い。Juice=Juiceはそういう層へのアプローチを狙っているのではないだろうか。


まあ、あくまでも勘ぐりなんで次のシングルで普通にイメージカラーの衣装で「ああやっぱね」ってなる可能性の方が高いわけです。ただ、個人的にはこのメンバー一人一人がニコ動にチャンネルを持ってダンスや歌唱をアピールするような戦略を取ってもらいたいなって思うのです。普通の子が「アイドルみたいな存在になりたい」と思い挑戦する「踊ってみた」や「歌ってみた」の世界。そこにいる子やファンの憧れになるような存在としてのJuice=Juice。僕はそんな甘ったるい夢を見ながら、Juice=Juiceの次の活動を楽しみにしているのです。