アイドル運営の皆さんにお願いしたいこと〜ももクロとスマイレージ、なぜ差が付いたか

さて、8月ですよ。


このブログが再び息を吹き返し頻繁に更新するようになったのは、去年の頭くらい。アイドルブームに乗っかったという部分もありながら、スマイレージのおかげ的なところもあるのですが、まあひさびさに更新を楽しく行っておりました。
一年前のこの時期は特に頻繁に更新を行っておりました。有頂天LOVE発売、スマイルファクトリーともうウキウキ気分で更新してました。仕事してるよりスマイレージのこと考えてたよねー。


で、8/25にその気持ちは地にまで落とされるのです。いい年こいたおっさんがさめざめと泣きました。佐吉推しだったし。


でも、去年更新を始めた時から、このアイドル戦国時代の持つ危うさみたいなものはなんとなく気付いていたかもなあって思います。それがももクロ早見あかりで。すでに握手会やらでの微妙な感じはファンの間では共通の認識になっていて、愛想がないとかアイドルっぽくないとか言われてましたが、脱退という形になった時にはちょっと驚いたものです。良楽曲が連発していた時期だっただけに、「ももクロもオワコンだなうひょー」の声も聞こえたものです。
ももクロの持つ「やけくそさ」を印象付けるのに「ももクロの青」は非常に効果的なポジションにいたのではないかなあと思っております。美形でアイドルっぽくない(向いてなさそう)んだけど、あの中だとでかいし、全力でやってるから目立つっていう。ももクロブレイクに至るまでの初期段階、認知の段階ではももクロの青の存在が必要不可欠だったのではないかなと思います。「ココ☆ナツ」の時期のさくらんぼブラの衣装を「こんなアイドルいないですよ!」とアピールしながらも、そのあと微妙な笑顔をする早見あかりには背徳感すら感じたものです。ああ、こんな子がこんなことしてまで頑張ってるって。AKBという巨艦はありましたが、その後のアイドル戦国時代と呼ばれる時期のアイドルの基本メンタルは「こんなことまでしてがんばってる」であるかと思います。AKBが先鞭を付け、ももクロが確立させたといって良いでしょう。我が軍ハロプロは「こんなことまでしてがんばってる」のを見せないことを美徳としていました(特にプラチナ期と呼ばれる時期にはその風潮が強かったかと)。ファンも「ハロプロは本格派だからああいう素人集団とは訳が違いますー」みたいな言い方をしていたかと。
その中にいてスマイレージは「負けるはずのない」ユニットとして登場した印象があります。エッグという土壌でベースファンを持ち、スキルもキャラも十分。他の事務所からみれば「チート」と言われてもおかしくないポテンシャル持ち。その上に自由さと伸び白をつけたらこの先どうなっちゃうの!ってのは皆思ってたところなんじゃないかなあと思います。


ここでちょっとももクロに話を戻します。早見あかり脱退後のももクロは失速するかと思いきや失速しなかった。青推しだった自分としては不思議でしょうがない現象だったのだが、しばらくたってようやく理解した。ももクロ早見あかり脱退で「子役濃度」が格段に上がったのだ。有安杏果のポテンシャルはここで開花する。全力だった時代を過ぎ、全力で「演じる」ユニットに変わった。「一生懸命」「プロレス」「車中泊」などのキーワードで語られるようになったももクロは、運営側のストーリーを全力で演じた。そしてファンは言葉を失い、「モノノフ」という名を与えられて衆愚化した。
運営はファンを見事なまでに調教した。今やファン(少なくとも最近のファン)はももクロに意外性を求めてはいない。またファンの自主性は良いものも悪いものも含め、極力排除された。かつてのももクロの持っていた偶発性や意外性は私立恵比寿中学が引き継いだ。こう考えるとももクロの戦略はブレていない。ももクロは「芸人」ではなく「アイドル」ではなく「役者」だ。「それに気づいてようが気づいていまいが全力で踊るのがモノノフ」なんであれば止めはしない。まあそういうもんなんだろうな。


ももクロ」という集団と「スマイレージ」という集団は一時期まではほぼ同一コンセプトでの活動だった気がする。「意外性や偶発性をはらみながら全力で頑張るアイドル」というカテゴリー。地力がある分だけポテンシャルはスマイレージの方が高かった。ファンに気付かれることなくグループの活動を転換したももクロに対し、スマイレージはAKBがすでに踏み荒らした接触ビジネスを踏襲することしかできなかった。メンバーのポテンシャルを最大限に生かしながら客を誘導することに成功したももクロ、メンバーのポテンシャルに頼って客の欲望ですりつぶされてしまったスマイレージ。この差は大きい。結果として事務所/運営の戦略が全てを左右したという当たり前の話。2期メンバーは大事にしてあげてほしいけど、本心ではもうスマイレージという名をやめて別グループになって、過去の諸々を絶って活動してほしい。


「メンバーのやる気」がどうのとか実はあまり関係ないんだよ。今は「普段アイドルをやらないような子もアイドルをやる」時代だ。戦略で何もかもが変わってしまうんだよ。戦略として重要な点。

1.メンバーのポテンシャルを見誤らない
2.客層を見誤らない
3.育てるのはメンバーではなくて客の方
4.コンセプトは見えない形で変更する

我が軍ハロプロがかつて得意としていた項目ばかり。ももクロはこの4点をうまく乗り越えて、スマイレージは全て失敗した。だから差が付いた。悲しいけど。


飽和状態のアイドルバブルも近々はじけるんでしょう。アイドルビジネスに携わりながらも、アイドルにまるで興味がなくピントはずれな活動を繰り返しているおとなも多数見受けられます。こうなってくると末期。運営のクオリティの高い低いは相当差が出てきている気がします。アイドルを目指す純粋な目が、濁ることがないように。この「アイドル戦国時代」と呼ばれる時代が不幸な時期だと呼ばれないように。一度きりしかない女の子の情熱を食い物にすることがないように。


切にお願いいたします。って、誰に向けて書いてるのかわからんけど。