JASRACの微妙な話

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さて伏魔殿JASRAC。なんかいろいろ不平不満を垂れ流したろうかとも思ったのですが、やめます。そのかわりこのページはぜひ読んでほしい。
JASRACの総会、評議委員会でのダメダメな論議が堪能できます。トップにいる人間がいかにお役所的か、情報関係の整理がいかになされてないか、最新メディアや機器に関して常に後手後手に回るのはなぜか、コピープロテクトなどの問題がいかに論じられてないか、大体判る貴重な資料。ちなみに書いてる人は円谷プロ製作のカルトドラマ「怪奇大作戦」や時代劇の「大江戸捜査網」などの作曲をしている玉木宏樹です。しかしこの総会の恐ろしいのは、壇上に上がってお役所発言を繰り返す人間も元作曲家だったりするところ。音楽文化の振興を謳い、作曲家の権利を守るはずの人間がなぜこうなるのか。

ではここでやり取りの一部を抜粋で。
CCCDに対してJASRACはどう考えているのかという質問に対し、JASRAC加藤理事の返答。
CCCDに関しては、あのー、私の個人的な意見だけ言わせてもらいますと反対です。あんなことしない方がいいに決まってる。だけど、じゃ、どうしたらそんなことしなくてもよくなるかということを考えなきゃいけない。ネット上でいうなら、違法プロバイダの摘発で、JASRACは実績をあげている。そういう実績の積み上げによって、変なコピーガードなんかしなくてもよい方向に持っていくしかない」
作曲家の穂口雄右氏:CD-Rを通り越して、ハードディスクに対する私的録音とか、新しいメディアに対する、JASRAC執行部の強い決意を!
―細川理事「新しいメディアに法的整理がないことに危機感はある。4月以来、権利者、メーカー、消費者との意見の場を持っている。ICチップやiPODmac)への意見集約、政令指定を拡げ、法改正に向かう努力をしている」
だそうな。先のヴィジョンを見ることができる人間はいなそうな雰囲気。ハードディスクコピーという問題に関しても、
―「(CD−RやRWなどは私的録音保証金制度で、保証金が上乗せされて販売されているのだが)ハードディスクにもそれを上乗せすればいいのではないか、マイクロソフトに提案してみる」
というマヌケな回答。デジタル・コピーという問題に関して清濁合わせて論じることのできる人間はいなさそうな雰囲気だ。