聴くことと買うこと

久々にCDを買った。本当に久々に。

こういう書き出しをすると「人生を変える一枚に!」とか、「ちょっと聞いただけで惚れました!」とかの話になるはずなのだけど、そんなもんでは全くない。残念なことに。

全部で4枚買った。ここしばらくの自分の行動を考えるととんでもないことだ。音楽をダウンロードすることになれてしまったはずの自分が、自腹を切ってCDを買っている。しかも一度ネットで試聴してから買うとかですらない。ただのジャケ買い。本当に久しぶりだ。

買ったCDはどれも良かった。ここではどのCDを買ったかということは書かないが、どれも知らないからこその衝撃に満ちあふれていた。

ふと思い立ち、itunesのプレイリストを見てみた。再生回数1とか2の曲の多いこと多いこと。自分は常に音楽を身の回りに置いているように思っていたけど、実は情報としてコレクトしているだけで聞いちゃいないんだなあ、と改めて感じた。

やはり、CDやレコードは買うべきだ。買うことによって、初めて自分のものになる。よくネットで無料配信(違法配信?)することを「宣伝になる」というような人がいるが、あれは詭弁だ。情報として使っているにすぎない。言ってみれば、そのアーティストのうわさ話をしているようなものだ。「うわさ話でもそれをきっかけに買う人がいる」という意見も否定はしないが、そのうわさ話はあくまでもアンダーグラウンド中のひそひそ話であって、大きな動きにはなり得ない。

久々にレコ屋で「このCDは買うべきか買わざるべきか」を悩むのは本当に楽しかった。この感覚のない状況での物欲は不毛すぎる。ましてや「いつか買うかもしれないから情報としてストックしておこう」なんて考えは自分の感性を薄めるだけだ。