サービス業の不可能への挑戦

上のエントリーの続き。個別接客の向上と大量販売は、究極的には両立しえない。サービス業で言えば、よくビジネス本とかに載ってるのが「どのお客にも最大限のサービス」をするというのは重要だと書かれている。基本的に異論はない。サービスは重要だ。ただ、商売として継続していくのにお金は必要だ。なので、先のサービスを提供しながら多くの客がさばけるか、もしくは大量のお金をいただくことが出来るかというのがどの会社も抱える命題だ。
大量のお金を持っている人は限られている。しかもそこまでたくさんのお金をいただくにはそれなりの物を提供しないといけない。しかも「サービス」という無形のものでだ。参入ハードルは高いし、このビジネスにはウィークポイントが多い。一人来なくなるだけで大ダメージなのだ。
でも、最大限のサービスを展開しながら多くの客をさばくというのも限界がある。仮にできるメンバーをそろえたところで、そのメンバーは永遠ではない。また、その顧客の趣味趣向などを他の人間に引き継ぐというのは根本的に不可能だ。人と人のつながりというものは、ありきたりではあるが数値化できるものではない。傾向というものがあるにせよ、サービスという名の関係を深化させればするほど、その傾向というものも意味をなさなくなっていく。
ファストフードと個人小規模店にサービス業は収斂されていくのだろうな、と思ったりもする。ただ個人小規模店を取りまとめたフードコート的なビジネスはまだ可能性があるかもしれない。

あ、アイドルの話に戻していいですか。

さて、そういうわけで握手会ビジネスはいずれ破たんを迎えるのでしょう。
地下アイドルとマスアイドルとに2分化されるのでしょう。ただ、地下から本当に才能のある子が選抜される様な場があれば、長く続くものもあるかもしれないとも思います。

ともかく、客側もモンスターカスタマー化しないで、長く応援できる仕組みが欲しいものですな。本当に。