アイドル戦国時代を飲食業界的に置き換えてみる

飲食業界の隅っこにいる自分だが、飲食業界ってホント大変。他と同じようなコンセプトの店はあっという間に淘汰されるし、サービスの向上はあくなき追求をしていかなければならない。料理のクオリティは素材から調理法までオリジナリティを求められ、競争過多で原価率は上がる一方。販促はありきたりのものでは効果はでず、昨日の流行店は明日も流行店とは限らない。
さらに「顧客満足度」という魔の言葉がこの業界を苦しめる。もはやモンスターカスタマーと呼んでもよいような客はたくさんいる。飛びかかってくるクレームは「サービス」に関してのものも多いが、「価格」に対しても容赦ない。
サービスの向上というのは永遠のテーマではあるのだが、価格競争力となるとそうはいかない。何かを削るか、何かに嘘をつくかしかない。
そこに来て大手のチェーン店の来襲だ。価格競争力及び基礎体力は勝てない。本来だったら全方位の集客を狙いたかったところが、あっさりセグメント化されたニッチへと客層を絞るよりほかない。そうするとサービスが…という堂々巡り。
さらに、風評や震災などの災害はそれまで積み上げてきたものを一瞬にして奪い去る。もう溜息しか出ない。

大幅に話が飛ぶようではあるが、アイドル戦国時代もこんな感じだよなと思う。

「アイドル戦国時代」という言葉の口火を切ったのが、MJでのももクロが先かスマイレージ福田花音が先かははっきり覚えていないが、ともかくあの言葉の誕生以来、アイドルは比較されるものになった。
アイドルを「店」と考えてみると面白い。AKB48はさしずめ大チェーン店。コストパフォーマンスの高いサービスを狙い、全体的なサービスレベルの向上を図る。チェーン店なのに個別接客がしっかりしているのはお得感が高い。メディアの露出を重視するのはスタッフの意識向上と、スタッフのバリューを上げるため。正直相当お金を費やしているが、これをなくしてしまうと埋没した店になってしまうのでやめられない。複数の会社の相乗りによってその街をそのチェーン一色にし、ドミナント戦略を図る。
それに対しての対抗馬はももクロなのだろうか。インパクト重視でガッツとやる気はどこよりも熱いラーメン屋みたいな感じかな。熱狂的なファンがついている。さしづめエビ中はのれん分け店舗のようなものだろうか。
ぱすぽ☆とかはどうだろう。HOOTERSみたいなコンセプトバーとか?あれだけねっちりとした予約商法はガールズバー的だ。キャバクラほど扇情的ではなく、客単価の高い店。
アイドリング!!は柳の下の泥鰌チェーン。今のところAKBが圧倒的なメディア投資を行っているところで、その次位にメディア上では目立っている…が、実際の売り上げははるか遠くにいる。ただ、この戦略は非常に重要で、カルビーに対する湖池屋資生堂に対するカネボウのように、2番手を演出する効果がある。この戦略に成功すると、爆発的に売れるわけではないがつぶれにくい。
AKBN0はデートクラブ。
まあ、他にも色々いるわけだが零細店舗なりに頑張っているわけだ。
あ、ひとつ忘れてた。かつてこの街を牛耳っていた飲食グループ、ハロープロジェクト
かつてはこの街を風靡し、さらに複数のキャラのたった店を次々展開、その中の名物店長を毛色の違う店や組み合わせていくことによって常に新しい店を演出、しばらくは栄華を誇っていた。でも、店って結局店長次第なところはあって、店長が辞めていくと同時にお客も結構離れてしまった。でもここはつぶれなかった。零細店舗になってしまったが、接客重視のコンセプトを貫き、流行と隔離されながらも細々と商売を続けていた。歴史というのは本当に大きな財産で。ただ他の店と比較されるのを意図的に避けていた経緯はある。
ただスマイレージだけが特殊だ。今まで引っ込み気味で商売していた姉妹店と比較して、ここだけがガツガツしている。かつ歴史を踏まえた基礎体力が強烈にある。で、空気を読まない(あえて?)。積極的に他の店を意識して動いてくる。読めない存在。

うん、ちょっとした地方都市の街並みが見えてくるようなラインナップ。

秋元康はさしづめワタミの社長か。となるともう脱出して別のビジネスを考えている頃かもしれないな。