長さんは俺でありおまえであり時代であり非現実であり

 どうでもいいことかもしれませんが、思い出話を少し。
 自分が物心ついた頃はドリフはもう最末期。ギャグにしても定番化してしまったギャグが多く、小さい頃は「ツマンネ」とか思ってた。ヒゲダンスとか言われても、何でみんながあんなにゲラゲラ笑ってるのかは全くわかんなかったし。ひょうきん族派だったんですよ。どちらかと言えば。ギャグが切れてる気がした。こっちの方がアグレッシブかな、と。
 ドリフが面白いと思えるようになったのは結構最近です。
 何気ない日常の「ずらし」のみで二時間進むドリフ大爆笑は、冷静に考えるとものすごくアグレッシブな試み。「もしも…」シリーズなどでの面白さは、シチュエーションコメディとしての面白さ。三谷幸喜はきっとドリフ・チルドレンだったはずです。日常に潜む非日常。翻弄される毎日。それを「ダメだこりゃ」と嘆く長さん。それは翻って、自分の姿だったのかもしれません。長さんがいないドリフは、きっとただの非日常になってしまうんでしょう。

 何が変わるわけでもないのですが、はっと夢から覚めたような気分です。
 改めてご冥福を。R.I.P.