THE BEATLES『LET IT BE NAKED』

http://www.toshiba-emi.co.jp/beatles/news/news20031023.htm
CCCDの問題で大幅にもめてるこの作品、確かに24ビットレコーディングを施したにもかかわらず、CCCDによって音を劣化させるというのはアホ以外の何物でもない。なんのための24ビットだかわからん。まぁ、UK盤はCCCDではないみたいなんで欲しい人はそっちを買っていただければってな感じではあるが…。
それ以前にこれ、どう考えてもブートレグのレベルだと思う。ジャケットも、内容も。西新宿にありそう。今や殺人犯となってしまったフィル・スペクターのアレンジ等が気に入らなかったから、当時バンドが意図してたように作り直した、だからこっちが本物、というのが売り文句らしいが、このレコード、いかにもハードディスクでつぎはぎで作ったんじゃないかっていう部分もある。少なくとも自分の中では、フィル・スペクターの株が上がった。フィル・スペクターはこの作品を名作と呼ばれるレベルまで引き上げたんだな、なんてことも思う。
確かにこの「ネイキッド」は今までファンたちが思ってた疑問点などが解決されていたりもする。たとえば曲順、「ゲット・バック」で始まって「レット・イット・ビー」で終わるとか…確かに始まる感じ、終わる感じはする。流れはいいのかもしれない。また音の粒はクリアになっている。ジョンのとポールのボーカルバランスも多少変わったような気もする。しかし、蛇足。70年のあの時期にできなかったことを、メンバーが二人もなくなってから、実はこうしたかったから作り直すとか…余計なことじゃないか?ビートルズのファンの方には、「聴き比べてみると面白いですよ」って言える。しかしこれからビートルズを知ろうと思う方には「悪いことは言わないからオリジナル買いな」って言う。
決して悪くなっているとかそういうことを言うつもりはない。しかし何度も言うが、この作品は蛇足だ。あえて今出す意味も意義も僕には見出せなかった。