地方音楽シーン形成における音響屋の重要性とは

今までずーっと考えてきた訳です。地方になぜ音楽シーンができないかとかを。まあ、そんな言い方すると大仰な感じですが、要するに「自分のいる地方都市はなぜ面白くならないのか」とかです。
人がいない、というのは大きな理由だけれど、それだけが理由ではないだろうな。自分のいるこの町だって結構な人がいるはずだ。マンチェスターなんてただの工場街じゃないか。一時アセンズがオブ・モントリオールとかで盛り上がってた時期があったけど、地味な町だよ、あそこ。

ともかく地方シーンの活性化を前向きに考えてみようという訳です。
で、まず考えるのは、レコ屋の重要性です。レコ屋は情報源として重要だし、同好の士が集まる場所としての機能を果たす。出会いの場所として重要な訳です。そしてライブハウスなどもその機能をもつと。
ライブハウスの役割はさらに重要だ。リスナーから演奏者への壁はなかなかに大きく、これを乗り越えるのは何もない環境ではなかなか容易ではない。高校の時に始めたバンドは大学になるまでにだいたい解散してしまう。理由はライブをやらない(もしくは学園祭でしか披露できない)から。他人に見てもらう機会のないバンドは非常に無常感が強いというか、やる気でないものですよね。

話を地方シーンの話に戻します。じゃあ、レコ屋とライブハウスがあればすべて片付く問題かといえばそういうものではないんですよね。だいたいそこそこの規模の町なら、一度はライブハウスができるんです。レコード屋もできるんです。でも知らぬ間に閉店していることが多い。理由は様々。マニアックがすぎたのかもしれないし、ファンというか客が育たなかったっていうのもあるだろうし。

自分が思うに地方シーンを形成するにおいて、もう一つ足りない要素があるんです。それは音響屋の存在。
例えばライブハウスのPAが地元のバンドと密接に関わっている町がシーンを作ってゆくのではないかと思います。フリーの音響屋なんかがいればもう最高。その人がバンドやってたりすればさらに強い。
PA、エンジニアが強いジャンルは栄える。音源を出すのも容易だし、ライブやイベントなどの時にも需要が高い。レゲエなんてその象徴みたいなもんで、システムのいない町にはシーンなんぞできる余地もないし、システムがいる町には確実に人が集まってくる。

いくらネットが普及しようがPCでエンジニアもどきのことができようが、結局は音源とライブのサイクルがシーンを作っていく訳です。そこで現場の影番長たる音響屋。相当重要です。みんなもっと音響屋に注目してあげれば良いと思いますよ。