地方発のロックはみんな東京に来たけど地方発のアイドルはまだ地元にいる

これって結構重要なことなんじゃないかと思う。よく音楽好きと話をしてると「海外ではロックやヒップホップとかで地方シーンとかが栄える時があるけど、なんで日本では地方からのムーブメントはないんだろうねえ」なんて話になる。まあ、確かに。ヒップホップのローカルシーンとかは無くはないけど、ムーブメントに至るまでは遠い。だいたいリーダーチームが東京のメディアにフックアップされて終了する。
さてそこで今の御当地アイドルを考えてみる。まあそもそもトップランナーである48軍団が地方へどんどん進出してきてる。そして地方に数多く生まれたアイドルはnegiccoやdorothy little happyなどの例をみるまでもなく意外に長く地元で活動し、新陳代謝すら進みはじめている。アイドルは脱東京のシーンの最先端だ。
理由は何かと考えてみれば、単純に言ってしまうと「地元との密着度が高い」こと。当り前だろうという意見もあるが、今までロックやヒップホップの連中がスーパーの前や商店街のイベントに積極的に出て地元愛をアピールしたことがあるかという話だ。地方のロッカーやヘッズ達は知らぬ間に田舎でもアウトサイダーになっている。結局好事家たちにフックアップされるのを待つのみの姿勢だ。
フックアップされるメディアもないアイドルたちは地元でファンを作らざるを得なかった。結果的に既存メディアやシーンに踊らされないスタイルが出来上がっていく。
ネットで話題になることはあまり意味が無い。地元にアピールしないと意味が無い。CDを連発する事よりも地元での認知度をいかに高めるかがアイドル自身の力になる。
愛媛の「ひめキュンフルーツ缶」のプロデューサーは元々ジャパハリネットのプロデューサー。ロックで果たせなかった地方シーンをアイドルを使ってやろうとしているのかもしれない。新聞やメディア、元々東京でメディアの仕事をしていて地方に帰ってきたような人間、そういう連中をネットワーク化してひとつの文化を作り上げる。東京から見りゃ辺境かもしれないが地元じゃど真ん中だ。
結局アンダーグラウンドで良しとしないのであればどのような場所でも正面突破が必要になる。地方で育てたストーリーが中央に行った時に力になる。むしろ脆弱な基盤で食い物にされるのを拒むやり方。WEBもメディアも関係ないローカルシーンのあり方の一つだと思う。