「スマイレージ2人引退 「背景にアイドル戦国時代」と専門家」ですって

いまさらだけどこのニュースについて。
http://www.news-postseven.com/archives/20111029_67850.html
まあ、この2人の引退について書いてくれた記事は無かったので、まあそういう意味では存在意義はあるのかと。ただ、アイドルの個人的事情のみが理由だとする北川の論調はいただけない。
アイドル戦国時代の本質は、AKBをはじめとするファンとの至近接触商法の消耗戦だ。ファンがアイドルに憧れるのではなく、アイドルがファンにサービスする時代への変化。正直ここで精神的に参ってしまった子は多数いる。しかし、ここまでだったら「時代の変化」で済んだ話だ。
一番変わったのはファン気質だ。端的に言うと「より個人的なサービスを求めるようになった」ことが消耗戦に拍車をかけている。認知厨も接触厨も大量購入ヲタもブログコメントヤクザもみんな本質は同じだ。アイドル個人に「俺への」反応を求めているのだ。アイドルに必要なスキルの中にキャバ嬢的な「寸止めのスキル」が必要になってきたのだ。そして、それに対応できる子だけが残る。
正直個人的には、アイドルとして輝いている子とキャバ嬢としてスキルのある子は全く別物だと思ってるし、この二つは矛盾しているとすら思う。そもそも仮に10人ファンがいて、10人に均等に接していてもその中にいるファンは「俺への対応が甘い」というんだろうし。キャバクラ的なマンツーマンの世界ならともかく。
エスカレートするファンの要望は、求められなかった(期待と違っていた)時に粘着的な憎悪に変わる。スマイレージの場合は焼肉事件は大きく尾を引いた。あれが本当かウソかなんて話はとっくにどうでもよくなっている。ただあの事件では「スマイレージは俺のものじゃなかった!」って言いたいがために、多数の人が1年間不平不満を言い続けたのだ。
ちなみにこういう人って特殊な人種ではない。クレーマー気質ってそういうものだ。「明確な説明が無い」「責任者が不明瞭なことを言っている」「対応に誠意が無い」これらの(見た目)正論を盾に文句を言い続ける。
焼肉に触れちゃったんでもう一つ言っておくと「ヲタとの私信なんてアイドルに許されるわけがない」っていう意見が多かったけど、この意見正直意味がわかんない。単純に「俺と同じ立場の人間が美味しい思いをしている(ような気がする)のが許せない」ってことなんだよな。それが本当であれ嘘であれ。正直みんな焼肉軍団なんてどうでもよかったんだ。彼女たちにただ不平をぶつけられれば良かったんだ。「俺を裏切った女」というレッテルを張りたかったんだ。冷静に考えれば本末転倒だし、どんだけ偉そうなんだって思うけど。
このファン気質の変化が、現場の空気を変えてきている。ステージはもはやステージではなく、接触に入る前の前菜になりつつある。正直それについていけなくなる女の子が多数出てくるのは理解できる。ステージはもはやアイドルが輝ける場所ではなくなってきてる。


事務所は「一接触=CD数枚の売り上げ」という旨味を否定できず接触を止められずにいる。まあ、接触に強いアイドルがいたっていい。でも全てのアイドルが接触ありきになるのであれば、いずれファンの要望はエスカレートしてただの風俗になる。そうなったらもうアイドルではない。その前に女の子が持たない。アイドル受難時代だなあ。