Atari Teenage Riot「is this hyperreal?」

6/20発売だけど、もうNMEのサイトでフル試聴できるんでね。
http://soundcloud.com/alec_empire/nme-com-exclusive-album-stream

近影。


12年ぶりなのです。12年! カール・クラックの死からもうそんな経つのか。あの死自体が右翼団体による殺人だなんて話もあったが、実際はどうだったんだろう。
今回のアルバムはカールもそうだが、ハニン・エライアスも参加していない。facebook経由で再結成の話があったが、ハニンの声はもう昔のようには出なくなっていたとか。
現在のメンバーはアレック・エンパイア、ニック・エンドー、そしてstones throwからもリリースのあるアメリカ産の変態エレクトロ好き黒人CX KIDTRONIKの3人。ライブのサポートドラマーにメルツバウ秋田昌美(NOISE GOD!!!)を引っ張ってきた時にも「アレック・エンパイアは何を考えてるんだ」って思ったが、今回もまあ同様で。CXに関しては後のエントリーでみっちりと。

で、結果としては「アレックやっぱすげえええええ!!」っていうのが個人的意見。まさかの合致具合。先のシングル「activate!」とかを聞いただけではわかんなかったのがすごくすっきりした。
端的に言うと、ブレイクビーツ的な要素はだいぶ影を潜めている。ただ
音の分厚さは過去最高。そりゃそうだ、NY地下のBooty nuts、CX KIDTRONIKが曲作ってんだから。で、ニックのシャウト(個人的にはハニンより好きだ)とアレックの煽りが加わり、スピード感に重さが加わり、結果的にクソかっこいい。

考えてみれば、もうあれから12年。サウンドだってあの頃のアタリと同じだったらただの懐メロ。「革命だ!」って叫んでるのをカウチでビール飲みながら「そんな時代もあったねえ」なんて言う感じになってしまう。そんなだらしない革命やパンクだったら無い方が良い。
今回のアルバムはサウンドだけではなく、リリックも大幅にアップデートされているようで、ネットワークからコミュニティに、コミュニティからアクションへというキーワードが重要なところかと思う。アレックはSoundcloudなどで細々と曲を出してみたり、facebookなんかでも相当早いうちから情報を発信してた。地味にコミューンを作っていた。そこから積み上げた経験や感覚を今までのように「反グローバリズム」にたたきつける。そしてCX KIDTRONIKはアメリカのマイノリティからの視点でリリックを放つ。これブッシュ政権時だったらどうだったんだろうな。噂によると過去の曲のリリックもリライトされているとか。ベルリンの壁崩壊時と今では完全に状況が違うということで。


もうこれ以上は何も言わないでおきます。Atari Teenage Riot完全復活です。ただ一つのお願いは「爆音で聴け!」です。