震災で真っ先につぶれるのはエンタメ関係

まあ当然の帰結ではあるんだけど。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110325/bsg1103251738002-n1.htm
言葉通り震災の影響で倒産した会社第一号は、東北ではなく福岡のイベンターだった。BICって言えば福岡じゃ結構顔だった気がする。
倒産に至る経緯は記事を読んでいただくとして、そもそも資金繰りも相当厳しかったんだろう。創業者が去年の12月に離脱しているあたりも、終末感を漂わせている。震災がなくても時間の問題だったのかもしれない。


やっぱ現金商売のイベント屋は、イベントがなければ死ぬんだよなあ。
イベント屋の収支の内訳を、ひとつのイベントをテーマに考えてみよう。


【収入(イベント前)】
先行チケット、前売り券、(もしあれば)出店者などの手数料
【収入(当日)】
チケット、公式グッズ、(もしあれば)グッズ販売などの手数料


【支出(イベント前)】
広告宣伝費(チラシ、ポスター)及びそれにまつわる人件費
会場費(半分くらい前払い。全額事前のところも)
設営費(照明、セット、音響、その他)
【支出(イベント時)】
警備、運営等スタッフ人件費(ほぼ当日払い)
アーティスト宿泊及び交通費、飲食弁当代
【支出(イベント後)】
アーティストへのギャランティ
設営費、会場代などの残金支払い


残りが儲け。


外タレとかだとまた変わってくるし、イベントは音楽系だけではないんであながち全てが上記のようなものではないけど、まあ、こんな感じかな。


注目していただきたいのは支出先の多さ、かかわる人件費比重の大きさ。事前収入に対し、事前支出はかなり多い。イベント時にはほぼすべてのイベントが債務超過の状況で行われているはず。なのでイベントのドタキャンはイベント屋にとってしてみればただのキャンセルではなく、支出の方が倍になってしまうような緊急事態なわけだ。体力のない会社ならここで終了。


今回さらに怖いのは自粛ムードの影響。あと、エンターテインメントに対するバッシングムードが怖い。
参考。
「よく笑いながら言えるな」中居正広の発言に視聴者から批判の声
http://www.cyzowoman.com/2011/03/post_3341.html
ラウドネスが「ライブをやる」と宣言したら、「不謹慎だ」「節電しろ」といった批判が相次いだという
http://www.news-postseven.com/archives/20110322_15631.html
CMにしたって、仁科亜季子でもバッシングされ、CM再開されればバッシングされる。じゃあどないせいいうねと。