あぁ!「FIRST KISS」

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さて、無事につつがなく、一般的にはなんの感慨もなく、ハロプロ19番目のユニット「あぁ!」のファーストシングルがドロップされた。オリコンデイリーチャートでは18位スタート。一万をちょい割り込むくらいの売上だったらしい。なにしろ最年長が田中れいなの14歳、夏焼雅が小5、鈴木愛理に至っては小3である。いやはやなんというか、ここまで来たかと。しかし冷静になって考えてみれば、ジャクソン5でデビューした時のマイケル・ジャクソンは11歳、スティーヴィー・ワンダーもデビューは12歳だ。才能さえあれば年齢は関係ない、それもまた真理。肝心の曲のほうはといえば…これがなかなかいい。ここ最近の邦楽R&B歌謡の中ではかなりいい曲の部類なのではないだろうか?曲の骨組みもきちんとしてるし、歌もなかなか聴かせる。モーニング娘本体は歌に関して何人か爆弾を抱えているが、こちらは安心して聴くことができる。きちんとメロディーが取れてる。つんく♂の暑苦しい合いの手のない曲もひさびさだ。
しかし、それでもこの曲のアンバランスさ、不安定さはそれを凌駕する。声が明らかに子供、世界観が子供らしくない、それも確かにあるだろう。しかしそれ以上に「なじんでない服を着ている」感じが強すぎる。「背伸びしてます」というのをアピールするのはいい。しかし、そこに「あぁ!」の姿が見えないのだ。あの歌には、歌にまつわる必然性が皆無だ。個人的には歌(特に流行歌)に関しては、時代における必然性というものが重要だと考えてる。簡単に言えば「誰に向けて曲書いてんのさ?」というところだ。つんく♂は「あぁ!」を誰に向けて書いてたんだろう?大人びた世界を夢見る子供たち?R&B歌謡を好む人?どの方向も向いているとは思えない。あえて言うなら「子供に萌える人たち」としか考えられない。ギャップなんて物は今やなんの売りにもならない。それはこの文の冒頭でも書いた「一般的にはなんの感慨もな」かったことでも明らかだ。もはやこんなことじゃ誰も驚かない。図らずもユニット名である「あぁ!」という驚きや感嘆符を感じる人はいないだろう。「あぁ…」が正しいとこなんじゃないか。しかし期待を全くしてないわけじゃない。今後に期待はしてる。しかしごまっとうの時みたいに無かったことにするんじゃないかという気もする。はぁ…ユニット乱発止めようよ…。